2015年5月7日木曜日

人類最大の集会Kumbh MelaでMITメディアラボは何をしようとしているのか

今回は自分が行ったMITメディアラボのインターンについて紹介したい。

Kumbh Melaというイベントをご存知だろうか。ヒンズー教の祭典で、人類最大の集会といわれている。3千万人以上が2週間の間に訪れるこのイベントは、3年に1度、4つのインドの都市をローテーションでまわしている。このKumbh Melaが、今年の8月にインドのNashikで開催される。Nashikは大都市ムンバイから車で3時間程度の人口200万人弱のTier 2都市で、世界で16番目のスピードで成長している。

Source: MIT Media Lab

Nashik出身のMIT メディアラボのRamesh Rasker教授が、Kumbh Melaを使ってNashikの成長を加速させたいと意気込む市長や地元の有力者と組んで、MIT x Nashikで様々なプロジェクトに取り組んでいる。Kumbh MelaとHackthonをかけあわせたKumbhthon(http://www.kumbha.org/)というイベントがこれまで4回に渡りNashikで開催されており、主に下記の6つの分野(Health, Housing, Payment, Food, Transportation, Civic)で起業家にアイデアを募り、Kumbh Melaまでに各分野のビジネスを完成させたいと考えている。動いているプロジェクトとして、例えばクラウドマネジメントツール(携帯のGPSを使い、人の動きをトラックし、過密状態での事故等を未然防止するツール)、疫病トラッカー(診断を経ずに疫病の発生可能性を予測し未然防止するツール)などが挙げられる。

Source: MIT Media Lab

このプロジェクトの目的は、途上国で、起業家/メンター/スポンサー企業などを集め、オープン・イノベーションを推進するプラットフォームをつくることである。メディアラボがプラットフォームの運営をリードし、Nashikが実際に起業家が事業を推進するイノベーションセンターとなり、企業が個別のアイデアに投資する役割分担を目指している。そしてNashikでの成功を皮切りに、インドのTier2の他都市にも広げていきたいと考えている。Kumbh Melaのある8月にこのプラットフォームの将来性/拡張性をインド中に示すことができるか、注目されている。

自分はMIT メディアラボが募集していたSloan生のインターンに応募したのがきっかけで、Kumbh Melaに関わることになった(4回目のKumbhthonに参加したかったのだが、残念なことに、セルビアでのプロジェクトと被ってしまったため断念)。私はこのインターンで、1) 様々なステークホルダー向けにコンセプトを紹介するプレゼン資料の作成、2)プラットフォームを構築するための長期のスケジュール/アクションアイテム作成を担当した。

非常に楽しいプロジェクトだったが、苦労もあった。例えば、基本的にプラットフォームの会員権を販売するような形であるため、お金を出すスポンサー企業にとって直接の利益が見えにくい。スポンサー候補から、"Return on Investment (ROI)を社内に説明するので、そのための資料が欲しい"といわれて、対応に苦慮することもあった。

このプロジェクトで感じたのは、先が見えない状況の中で、前に進み続ける推進力の重要性だ。自分のボスは、あれがない/これが決まっていないという状況でも、細部にこだわらず、ビジョンを掲げていく突き進んでいく強いリーダーシップを発揮していた。アメリカ人らしい大雑把さだが、これで人が集まり、プロジェクトが動いているので、文句のいいようがない。そういった意味でも非常に有意義なインターンであった。

これ以外にもMITメディアラボは様々な面白いプロジェクト/研究があるので、また別途紹介できればと思う。

卒業まであと29日!!!


にほんブログ村 MBA・MBA取得

0 件のコメント:

コメントを投稿