2015年5月19日火曜日

成長著しいフィリピンのスタートアップで働く


フィリピンのスタートアップで約2週間のインターンを実施した。アジアの成長している国で働いてみたいという思いと、英語を使う環境で仕事をしてみようという思いから、シンガポールか、フィリピンで働ける先を探していたところ、MIT Sloanの卒業生が創業したKalibrrというスタートアップがフィリピンにあることがわかり、コンタクトをとったのがきっかけだ。

Kalibrrは、現在、フィリピンで最も注目されているスタートアップの1つだ。フィリピンで最初にY Combinatorに採用された企業でもある。日本のベンチャーキャピタルからも出資を受けている。U.C. バークレー出身の2人のフィリピン系アメリカ人が会社を経営している。

Kalibrrのビジョンは、LinkedInのスキルセット版をつくり、伝統的な経歴書(レジュメ)から人の能力を測る採用プロセスの仕組みに、変革を起こすことである。日本では、SPIを提出して、エントリーシートを出して、面接を受けるというプロセスがある程度確立しているが、アジアでは、未だ縁故採用中心で、採用プロセスがないエリアも多い。そうした地域に、デファクトスタンダードとして新しい仕組みを導入していきたいと考えている。

Kalibrrは、まず最初のビジネスとして、コールセンター専用の適正試験を作っており、コールセンター会社がこのテストのスコアで、求職者をスクリーニングするサービスを提供している。フィリピンでは、100人の求職者がコールセンターに応募しても、スキル不足により、実際には10人以下しか採用できておらず、この大量の面接プロセスが採用側にとっての非効率をうんでいる。求職者もこのテストを通じてコールセンターが求めるスキルセットを学ぶことができる。求職者と採用者の両方にとってメリットのある仕組みとなっている。

コールセンターを中心とするBusiness Process Outsourcing (BPO)のビジネスは、インドと並んでフィリピンの一大産業で、今後も需要の拡大が期待されている。Kalibrrは面白いポジションにいると思う。

CEOのPaulは、シリアルアントレプレナーで、自分と年齢が1つしか変わらないが、ビジョナリーで、自分が尊敬する経営者の1人だ。彼の素晴らしいビジョンと情熱、そして人懐っこい笑顔が人を惹きつける要素になっている。

インターンでは、当社の海外戦略の策定、特に日本企業との戦略的提携を視野に入れた市場調査を行った。ただ、インターンの2週目に、会社の社員旅行がかぶってしまい、自分もそれにお呼ばれしたので、フィリピンの滞在は、半分休暇っぽくなってしまった。ただそのお陰で、若い従業員たちとも親交を深めることができた。彼らは、ほとんどが新卒1−2年目だが、フィリピンのトップ大学を出た優秀な人たちだ。

フィリピンは、高い英語力、人口規模、平均年齢の低さ、経済の成長速度、携帯電話の普及率等から、今後大きく伸びるポテンシャルを持っている面白い国だと思う。特に自分が滞在していたマカティ周辺は、ショッピングモールや高層マンションが次々と立ち並んでおり、アジアの大都市らしい勢いを感じる。

一方、課題はインフラ面で、他のアジアの大都市と同様、渋滞が大きな問題になっている。JICAが支援したメガマニラ構想のビデオは非常に興味深いのでよかったら見ていただきたい。インフラ面での整備が進めば、フィリピンには大きな可能性があると考えている。

フィリピン滞在中に、CEOのPaulが共同代表を務めるManila Angelというエンジェル投資家の会合にも参加させてもらった。欧米の投資家たちが複数参加しており、フィリピンが投資対象として注目を浴びていることを、肌で感じることができた。

卒業まであと17日!!!

P.S. 社員旅行で行ったフィリピン・ボラカイ島
(世界で最も美しい島に認定されたこともある)


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