2015年5月18日月曜日

戦略コンサルタントが提供する5つの付加価値

1年生の夏休みに戦略コンサルティング会社で2ヶ月間、フルタイムのインターンを行った。実際のプロジェクトに入り、コンサルタントがどういう付加価値を出しているかについて、真剣に考えてみたので、自分の考えをシェアしたい。あくまで、インターンという第3者としての意見である点は了承願いたい。自分は、グローバル展開する日本のメーカーに新しいサプライチェーン・マネジメントの仕組みを導入するプロジェクトを担当した。

1.プロジェクトの強力な推進ドライバー
大きな変化を社内にもたらす時、短期間で一気に改革することが重要なケースが多いと思う。M&A後の統合(Post Merger Integration)などがその代表例だ。しかし、社内のメンバーのみでプロジェクトチームを組んだ場合、うまくいかないことが多い。なぜなら、1)社員が他の仕事を掛け持ちしているケース、2)通常業務から、改革モードに急激にシフトできないケース、3)そもそもプロジェクトの専門知識がないケースがあるからだ。自分が担当したプロジェクトはこの3つに当てはまっていたと思う。そこで、短期間の高性能派遣社員として、コンサルタントが社内の改革を推進するドライバーとしての役割を担っていた。

2.組織の壁/ヒエラルキーを超えるサポート
通常、社内で話をする場合は、担当者>課長>部長>取締役>社長といった形で話があがっていく。例えば部長が反対意見を持っていれば、案件を潰されてしまうケースがある。こうした点で、コンサルタントのマネージャーレベルから、クライアントの取締役レベルに直接話ができる関係性を築くのが一般的なので、組織のヒエラルキーの弊害を取り除くことができる。それゆえ、トップダウンに近い形で、スピード感を持って物事を進めるサポートができる(上記の例でいえば、反対意見を持つ部長へのフォローも行う)。

3.専門知識の提供
外資系の戦略コンサルティング会社は特に、世界中の社内外の業界エキスパートに電話/メール1つでアドバイスをもらえる仕組みが整っている。自分が想像している以上に、クライアントは、専門知識や他社事例・他社比較に期待していることが多かったので、こうしたエキスパートのネットワークから得られる専門的見解を共有する付加価値は高い。

4.第三者意見の提供
第三者意見というのは、内部を説得材料として有用に働くケースが多い。結論ありきの案件もあるようだが、いずれにしろ、データやロジックで裏付けをして、クライアントの決断を補強するのは重要だ。これは、決裁権者の保身(失敗した際の責任の転換)や、株主訴訟を回避する意味合いも含まれていると思う。

5.海外企業/支社とのコミュニケーション支援
日本企業の場合、新しい仕組みをグローバルで導入しようとする場合、文化/語学の壁で頓挫するケースがあると思う。例えば、本件でも、"なぜその仕組みを導入することが必要なのか"という、半ば反対に近いような意見が、複数の販社から出てきた。その際、業界のエキスパートとして、英語で説得に当たることも、日本企業にとっては付加価値だと思う。


コンサルタントになるデメリットは、1)ワークライフバランスをある程度犠牲にしなければいけないこと、2)時間単位の高い成果が求められており、精神的プレッシャーを自己管理する必要があること、3)クライアントの求める枝葉的な仕事も含めて、サービス業として対応する必要があることだ。3番目については、クライアントがやるべきことはクライアントにお願いし、小間使いにならないよう、リソースマネージメントしていくことも重要だ。

自分の周りにも、コンサルタントという仕事について懐疑的に思っている人は結構いる。そういう人たちは、なんとなくのイメージで話をしているか、実際に付加価値を出していないコンサルタントと仕事をする経験があったのだと思う。

以上が、インターンの感想も兼ねた自分が考える戦略コンサルタントが提供する5つの付加価値だ。

卒業まであと18日!!!

P.S. イスラエルの死海(濃い塩分濃度で、身体が浮く)



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