2015年5月23日土曜日

大学ランキングのお話

やや下世話な話だが、今日は大学ランキングに関する話をしたいと思う。こういった話題は不快に思われる方もいるので、興味がある方だけ見ていただきたい。

たかがランキング、されどランキング。MBA受験の際は、すべての受験生が大学ランキングをある程度意識して受験しているといってよい。MBAの社費派遣の場合、Top10の大学、Top20の大学以外の受験・進学は認めないと明言している会社もある。そして卒業後の就職にも、このランキングが大いに影響を与えている。以下、大学のランキングとMBAのランキングを2つに分けて紹介したい。

世界大学ランキングについて
2013年度の大学ランキングの比較をこちらのSourceから紹介したい。より公平性を保つため、4つのランキング機関の順位を表示する。




MITは、QS World University Rankingsで世界第1位を獲得している。上記のランキングは、アメリカの大学のみを比較したものだが、実際のランキングでもアメリカの大学がほぼTop10を独占している。あとはランキングではないが、Ivy League (Brown, Columbia, Cornell, Dartmouth, Harvard , Pennsylvania, Princeton, and Yale)も、アメリカのエリートが大学を評価する時に用いる基準だ。個人的には、日本よりアメリカの方が学歴社会に感じるので、こういったランキングの影響力は大きい。

なお、QS World University Rankingsだと、日本では東大が32位(2013年)になっている。以前、東大の物理の学部からMITの物理の大学院に進学した学生に聞いてみたのだが、中間層の頭のよさはMITと東大でも大差ないという。ただ、世界中から学生を集めてくるアメリカの大学だけあり、天才の数は、MITの方が多いようだ。

日本の大学は、研究のレベルは一流だと思うのだが、海外から招聘する教授や留学生の比率が低いので、どうしてもランキング上は低くみえてしまう。世界の優秀な学生の獲得競争は年々激しくなってきているので、日本の大学出身者としては、東大・京大をはじめとする日本の大学にぜひ頑張ってもらいたい。アメリカを見ればわかる通り、レベルの高い大学があれば、優秀な留学生がその国に残るようになり、学術・経済の発展につながる。

ビジネススクール(MBA)のランキングについて
次に、2014年3月時点でのビジネススクール(MBA)のランキングの比較表をこちらのSourceから紹介したい(欧州の大学は議論の対象外とする)。上記と同じく4つのランキング機関の順位を表示する。




個人的には、HarvardとStanfordが2強で、それにWhartonが続き、その後が横並びのように感じる。アメリカ人の同級生にどのランキングを信じるか聞いたところ、上記にはないM7(Harvard, Stanford, Wharton, Kellogg, Booth, Columbia, and MIT Sloan)と答える人が多かった。そういう意味でも、U.S. Newsのランキングが一番肌感覚に近いような気もする。Yield Rate(イールドレート)といって、合格者のうち何%の人が実際に進学するかも(≒複数の合格校から最終的に選ばれる確率)、大学のランキングを見る1つの基準だと思う。

あとは起業に興味があったら、Stanford、MIT、U.C. Berkeley、ファイナンスに興味があったら、Harvard、Wharton、Chicago、Columbia、マーケティングであれば、Harvard、Kelloggといった形で、各々の大学の強みをみて、学校選択をすればいいと思う。多くのビジネススクールが、MBA生の出身業界や就職先(Employement Survey)を公表しているので、それを見れば自ずと学校のカラーや、同級生の傾向が浮かび上がってくる。例えば、こちらで触れた通り、MITはTech系の企業に就職する学生が多い。

社費生の場合、合格すること自体も重要なので、Top10の学校だけ受けるという人はあまりおらず、ある程度リスク分散をするケースが多い。従って、自分のやりたいことに強い学校や、生活環境、そして卒業生・在校生との相性などを見ながら、受験する学校を決めていく。多くの学校を受験することで受かる確率を高めることと、1つ1つの出願書類のクオリティが下がることはトレードオフになるので、それを踏まえて出願校の数は判断するとよい。自分は2nd Roundのみで7校出願したが、出願書類を1−2ヶ月で準備したこともあり、かなり限界に近かった。

自分は、以前に述べた通り、技術の商業化に興味があったので、工学の研究で著名かつアントレに強い大学ということで、Stanford、MIT、U.C. Berkeleyを第一志望に設定した。

あとはよくいわれているが、2年間住むところも重要なので、都会がよかったら、ニューヨーク(Columbia、NYU)、シカゴ(Chicago)、ロサンゼルス(UCLA)。郊外の大学街がよかったら、Duke、Dartmouth、Michigan Rossといった形で、大学選びをするとよい。ボストンの魅力は以前に述べたとおりだ。

以上、大学ランキングの所見としたい。

卒業まであと13日!!!

P.S.  9月11日(アメリカ同時多発テロの日)のMITのグレート・ドーム


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