Airbnbとは(数値は2014年12月調査時のもので古くなっている可能性あり)
- 2008年にBrian Cheskyらによって設立され、物件オーナーと旅行者をつなぐ宿泊予約のオンラインプラットフォームを提供
- 世界190カ国3万4000の都市で展開し、80万の物件と、年間3,000万件の取引あり
- 2013年で$2.5億ドルの収益があり、NabeWiseなど複数の企業を買収
- 物件のオーナーから3%の取引手数料、宿泊客から6−12%のサービス料を請求
- 8.26億ドルを資金調達し、バリエーションは100億ドル。2015年2月時点では、新たに10億ドルを調達し、バリエーションが200億ドルになったとの報道も
- 競合は、HomeAway、FlipKey、Wimduなど
- 比較的低価格帯のホテルを利用する顧客層がターゲット。ビジネスユースのサービスも提供開始
- 最初の2年弱は鳴かず飛ばずだったが、ニューヨークの物件の写真を、Airbnbの運営チームが自分たちで撮影したことをきっかけに、1週間で$400を売上を達成。急速に成長開始<(参考)Airbnbが成功するまでの変遷>
Airbnbの強みとは
- 無限に広がる在庫(世界中のアパート物件が商品に)。ホストと旅行者の間の強力なネットワーク効果
- 急成長するオルタネイティブロッジング市場(Alternative Lodging Market): 2014年に260億ドルの市場規模(宿泊市場の7%)に達する見込
- 低い間接費:Airbnbの従業員は600人。従業員1人あたり売上高$420,000(2013年)
- レビューやレーティングをベースに部屋を探すニーズへの対応
- ホテルサービスの解体:ホテルの総合サービス(ブランド、デザイン、アメニティ、清掃、セキュリティ、食事、コンシェルジェ、リワードプログラム)を解体し、自分の好きなものを組み合わせるニーズに対応
- 新しいエコシステムの形成:Airbnbのプラットフォーム上で、様々なベンダーがサービスを提供(物件オーナーのための予約受付、清掃、鍵の引き渡しサービスなど)
マリオット(既存プレーヤー)の反応
- マリオットは、Airbnbに対抗して、アパートにおける短期の滞在サービスの予約プラットフォームを提供開始
- 既存のアパートのオーナー、テナントと提携し、マリオットの予約システム上でこれらの物件の予約が可能に。背景には、多くの物件オーナーが短期レンタルを禁止する方向性を示しているため、Airbnbのテナントが法的リスクを抱えるようになり、マリオットは、それを回避する形でサービスを提供
- Airbnbとの違いは、
- クオリティをマリオットが保証(ブランド管理のリスクは上昇)
- オーナー、テナント、マリオットの3者で利益をシェア(オーナーも含めて利益をシェアするため、Airbnbに比べ、マリオットの取り分は低下)
- マリオットグループのリワードプログラムを提供(Airbnbも同様のサービスを提供可能。強いインセンティブにはならない可能性大)
以上を踏まえると、多少の違いはあるものの、マリオットもAirbnbに同調する戦略をとっており、Airbnbを中心とするオルタネイティブロッジングが大きな脅威になっていることがわかる。マリオットは、既存のホテルビジネスとのカニバリゼーション(共食い)があり、オンライン予約プラットフォームとしてはAirbnbにブランド面で大きく離されていることから、劣勢にたたされているといわざるを得ない。
デジタルカメラの出現で破産したコダックのように、いつの時代にも新規の製品/サービスの出現によって、既存プレーヤーの存在が脅かされる例は枚挙にいとまがない。2010年代は、タクシー業界に対するUber、ホテル業界に対するAirbnbのように、シェアリングエコノミーといわれる新しいトレンド/エコシステムをリードする企業が、大きな脅威になっている。
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